岩盤浴に行った(490年ぶり2回目)

たまに行くスーパー銭湯岩盤浴があるのは知ってた。けれども+600何十円だかかかってそれなりに高い。それほどの魅力を感じられなくて、だから一度も使ったことがなかった。

岩盤浴自体は、学生時代に友人と一度行ったことがある。そのときには、ただの低温サウナだという感想しか得られなかった。こんなものに金を払う意義はないなと思った。だけども、まあそれも遠い昔の話だ。この年になって得られる何かがあるかもしれない。そう思って行ってはみたけど、結局のところ低温サウナでしかなかったという話。

 

近所のスーパー銭湯岩盤浴を利用するにあたって、まず、手順がわからない問題。スパ銭の入場券を買うときに、同時に岩盤浴の入場券も買う。入場券といっても電子タグなので、見た目にその違いはわからない。別途にレシートのようなものは発券される。そこにはきちんと 平日大人+岩盤浴 みたいな文言が記される。でも、それだけだ。岩盤浴を利用するにはどうするべきといったような記述はない。記述はないけど、カウンターで岩盤浴着をもらわないといけない。そして岩盤浴着にはどこで着替えるのかもわからない。何の説明書きも無い。どうやら正解は浴場の脱衣所であったよう。何故なら他に着がえる場所は存在しないからだ。webサイトを見ると、岩盤浴前に入浴しておくことが進められている。

入浴を済ませ、岩盤浴着を着る。下着をつけずに直接着ることも、webサイトには書かれているが、それ以外には説明もない。荷物をまとめて、岩盤浴場という呼び方が正しいのかよくわからないが、行く。電子タグをかざして入場する。ロビーのようなスペースには思っていた以上に多くの人がいる。あたりを眺めて、気づいたことがひとつある。荷物を持ってきたらいけなかったやつだ。再度脱衣所に向かって、ロッカーに荷物をしまい、再び岩盤浴へと行く。浴場はいくつかに分かれている。何らかのコンセプトによって照明や内装が変えられている様子だ。きっとそれ以外の、何か本質的な違いはないだろうと決め打ちして一カ所にしか入っていないので、もしかすると何か驚くべき差異があった可能性もなくはない。

私が入ったのは、薄暗く、青っぽい照明の、それ以外にこれといった特徴をあげられない部屋だった。通路部分はツルツルとした石かタイルかで、そこから数センチ高くなった寝る部分はもう少しザラザラとした石だった。そこにカウンターでもらったタオルを敷くのだと、webサイトには説明があった。なぜ現地に説明書きがないのか。あるいは着衣やタオルといっしょに説明書きを渡せばいいのに。webにあった説明書きでは、タオルは枕にまで掛けるのだ書いてあったけれど、枕にかけると今度は足までタオルが届かない。どちらか一方を諦めるなら枕だろう。貸し出された着衣にはフードがあったので、枕に直接触れることが望ましくないのならフードを経れば十分だろうと考えた。そもそも枕に頭が直接触れることが望ましくない理由が浮かばないが。

これは低温サウナだな、と思った。

以前にもそう思ったことを思い出した。実際に岩盤から熱が発せられているのだとしても、それが実感できないのでは意味がないのではないか。これを岩盤浴だと呼ぶのであれば、岩盤からの熱を実感できるべきであり、室温はもう少し抑えるべきなんじゃないか。しかし、以前に体験した岩盤浴もこのようなものであったことから考えて、すでに岩盤浴のスタンダードはこの形なのだ。岩盤からの熱を実感できる気温を抑えた岩盤浴を実装したところで、こんなものは岩盤浴ではないと言われてしまうのも目に見える。そもそも岩盤からの熱を実感できる気温を抑えた岩盤浴があったとして、それに魅力があるのだろうか。

そもそも論で言ってしまうと、岩盤浴というものはどこに魅力があるんだろう。施設のwebサイトでは、汗をかくことがその魅力であるかのような書かれ方がされていたが、それが一般的な発想なのかしら。どうして汗をかくことが魅力なんだろう。運動して汗をかくのであれば、運動が気持ちいい、運動することが健康にいい、ということにもつながるが汗をかくことそれ自体が気持ちいい、あるいは健康にいいということはないだろう。あるいは一日中デスクワークをこなし、一切運動することのない現代人にとって、生命維持のための代謝ですら体にいいことと見なされてしまうのだろうか。

 

たっぷり汗をかいて岩盤浴を出る。汗をかいているので、もう一度入浴する必要があるだろう。施設から出ない限り何度でも繰り返し入浴することができるのはありがたい。だがしかし、だ。さっきも入浴したので、タオルはすでに濡れている。つまり、濡れたバスタオルで体を拭うしかない。それでも濡れたバスタオルがあるだけまだ良かった。家からバスタオルを持ってきていたので、濡れたままのバスタオルを持っていたけれど、タオルをレンタルしていたら体を拭き終えたときに返却してしまっていただろうから、そうするともうもう一度体を拭くタオルは無かった。そうした説明が一切ないままに、先に入浴してからの岩盤浴を勧めるメンタリティが強い。