久しぶりに食べたラーメン

いつものように昼食を取れる店を探していたら、少し歩いたところに高評価のラーメン屋が並んでいた。なるほど、白楽から反町にかけてはラーメン激戦地なんだとは聞いたことがある。そこにひとつ、見覚えのある店名がある。昔、横浜に住んでいたときに近所にあったラーメン屋と同じ名前だ。同じ名前ではあるが、私が住んでいたのは横浜駅を挟んで反対側であり、つまり同じ店ではないはずだ。たまたま同じ名前なんだろうか。それとも支店かしら。と思ってググってみると、どうやら移転したらしいことを知る。まさに近所にあった店そのものが、今またすぐそこにあるのだ。そりゃあ食べに行くさ。

 

キャベツラーメンを注文する。見覚えのあるおっさんがカウンターでラーメンを作っている。一言も口を聞いたことはないけど、どこか懐かしい気持ちになる。

もしかすると、私が横浜家系が好きでないと言い続けていることを知っている人がいるかもしれない。多くの家系ラーメン店では醤油スープと、そこに浮かべられた油が調和することなく、飲み込んだあとに口の中に油が残るのが好きでないのだ。横浜に住んでいたときには、多くのラーメン屋がありながらそのほとんどが家系であり、そのほとんどでスープと油の不調和があり、それが嫌だった。とはいっても、すべての家系ラーメンが不調和を起こしているというわけではない。吉村家と中島家ではしっかりとマッチしたスープが味わえた。あるいは無敵家や侍でもしっかりと美味しいラーメンが食べられる。ただ後者は、スープのパンチを強めることで強引に油を馴染ませている感があり、本来の横浜家系とは少し違う部類のラーメンになっている。私はそれらをよく「都内の家系」と呼び、横浜家系好きにはしばしば軽蔑されがちだけれど、私は都内の家系のほうが好みである。

 

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さて、反町の中島家、キャベツラーメンである。ひとくち食べてまず思ったのは、こんなに美味しかったっけ?ということだった。おおよそ10年ぶりになるので、どんな味だったと正確に比較なんてできないんだけど、こんなに美味しかった? そもそもキャベツにこんなしっかり味つけられてたっけ? スープ自体が濃厚で、油とも喧嘩することなくまとまっている。昔は「濃いめ」で頼むことも多かったが、今回はすべて普通で頼んで、それで正解だった。最高だった。

しかしひとつ残念なことには、本当に美味しい横浜家系ラーメンを久しぶりに食べてしまったことで、近所にある十分に美味しかったはずの家系ラーメンが味気なく感じられるようになってしまった。