ネットでもリアルででも機会があれば横浜をdisって来た俺ですが、その理由のひとつにラーメン屋が家系ばかりで美味くないというのがある。
家系ラーメンの何が嫌いかって、スープの喧嘩っぷりだ。太麺に絡んでくる醤油とんこつのスープそれ自体は決して嫌いなわけではない。問題はその後に残る油味だ。丼の表面に厚く貼った油膜が、あの後味の悪さを生み出している。油はスープに溶け込んでこそラーメンの旨味だと俺は思っているが、多くの家系では完全にスープと喧嘩してしまっている。それで家系ラーメンはあまり好きじゃなかった。
ところが、侍ではそれが無い。丼に油は貼っている。これでもかと油が貼っているんだけど、スープ全体がコッテリ仕様なので、油がスープと喧嘩しない。なのでアブラっぽいことで有名な家系ラーメンの中でも侍はかなり重量級のラーメンで好みが分かれるところだとは思うが、俺にはたまに無性に食べたくなる味で、職場からの帰り道に店舗があることもあり、週に1~2回通って食べていた。
すると、だ。昨日も仕事帰りに寄って、いつものように食券を買ってカウンターに出すと、「お好みはありますか?」と聞かれて「濃い目で」と答えるのがいつもの流れなのに、昨日は「濃い目ですよね?」と聞かれた。おお、店員に顔を覚えられてしまっている。しかもかなり確信をもった聞き方だ。あまりの突然の出来事に天性のコミュ障を発症して俺は「は、、、ははい」と答えることしかできなかった。しかし店員からの攻撃はそれだけで終わらない。注文を終えて椅子に座り、ケータイを取り出してTwitterかはてブかなんだか忘れたが何かのアプリを開いて完全に油断していたところで、また店員が声をかけてきた。「たまごが余ってるので宜しければ食べてもらえませんか?」という卵アレルギーでもない限り断る理由を見出だせない質問を投げてこられて、もうここまできちゃうとコミュ障が果たしてなんて答えたかまったく覚えてないけど、とにかくお店のサービスで味玉を頂いた。ごちそうさまです。
アルファブロガー的な人ならここで侍の旨さを猛烈に語ったり、場合によっては味玉まで褒めちぎったりするんだろうけど、生憎俺はそんな表現力は持ちあわせてはいないし、さっきも書いたように侍は誰にでもオススメできるような味でもない。でもギトギトなラーメンが好きな人はきっと気にいるんじゃなかとは思うし、家系ラーメンが苦手だという人にも一度試してみて欲しい。少なくとも俺は侍のラーメンが好きだし、今後も通い続けると思う。