個人的にはさ、政治に裏金くらいそりゃああるだろうし、もちろんそれは悪いことなんだけど、そんなにも目くじら立てなきゃならない巨悪なんだろうかという思いがそもそもあった。だから、自分は知らなかった、事務員が勝手にやっていたことだ、という議員の証言ばかりが出てくることのほうがよほど大きい問題であるように思えてしまう。

つまりは、そんなに無能でいいのか、ということだ。

もちろん人には得手不得手があるから、誰もが自分の政治活動資金の流れをすべて把握していなくてはいけないとは言えない。特定の分野には明るいかわりに会計には疎い、だから会計はすべて事務員に任せていて一切把握していない、という議員がいてもいいだろう。でも、そんな議員しかいないというのが問題だ。自民党には、あるいは清和会にはでもいいけれど、自らの政治活動費をきちんと把握できている議員はいないのか。自身の活動費すら把握できていない人間の集まりが、国家の予算を、政策を決めようとしているのか。そんな人たちでこれまでの政治を決めてきたのか。

それぞれ事務員が不正を行っていたという話ではないのだ。清和会が制度としてキックバックを行い、それは不記載とするものだとしていたのだ。その方針すらどこかの事務員が勝手に決めたのだとでもいうのか。もし本当にそうなのだとすれば、ただの無能の集まりでしかない。そんな無能が政治を動かしているくらいなら、もっとずる賢い集まりであったほうがまだマシじゃないか。