病院へ行ってきた

手術云々の話ではなかった。私も少なからず動揺していたのかもしれない。

今日は休みを取って、母の病院へ行ってきた。少し早く来てほしいと母に言われたので、少し早く行った。着くと、残高を確認してきてほしいと言われ、3枚のカードを預かる。1Fにコンビニがあるから、そこのATMで見てきてほしいとのことだった。もしかすると母はそのコンビニには行ったことがないのかもしれない。入院してからずっと動けないままでいるのかもしれない。コンビニは1Fになかった。1Fにあると言えばあると言えなくもないのだけど、別棟の1Fだった。建物から出なければならない。連絡通路を通り、コンビニのある棟に行くが、その通路から出ることはできても入ることはできず、戻るときには正面玄関まで回らなければならなかった。

 

医者からは現在の病状と、今後の治療方針が告げられる。姉も電話を繋いだまま、一緒に話を聞くことになった。

臓器に腫瘍があるとのことだった。ガンだ。周囲にも複数の影が見られ、既に転移しているので手術による切除はできないとのこと。どうやら想像していたよりも状態は悪そうだ。

ガン治療には大きく3種類あるのだという。外科療法、放射線療法、化学療法。複数転移してしまうと、外科療法と放射線療法は難しい。残るは化学療法だが、それも副作用がある。薬の種類により副作用は異なるが、今の体調ではいずれも困難だろう。だからまずは体力を回復させなければならない、ということだった。

原因を放置したままどうして回復できるものかと思ったけれど、痛み止めを打ち、ステロイドを打つことで、先週よりも具合がよくなっているという事実は実際にあるそう。食事もできるようになり、いずれは退院だってできるだろう。そのときに備えて、今のうちから要介護の申請をしておいたほうがいい、と言われた。退院してからでは認定が出るまでにタイムラグが出てしまうからとのこと。それを聞いて少し安心した。このまま入院生活が続くのではなく、退院は十分に現実的な将来だということだ。励ますための方便に過ぎなければ、無駄な行政手続きを勧めたりはしないだろう。

姉も危惧したようなパニック状態にはなっていなかった。この話を、私が要点だけかいつまんで説明しようとするとどうしても、ガンである、転移しており手術はできない、抗がん剤に耐えられる体力も今はない、体力を回復させてから抗がん剤治療に入りたい、みたいな説明にならざるを得ず、それは彼女を混乱させることになっていただろう。