うどん

最近は家で夕食を食べるときは、だいたいいつも冷凍うどんを食べている。下手したら朝も食べている。それは近所のスーパーで最安の5食178円(たぶん)の讃岐うどんである。正直に言うと、讃岐うどんはあまり好きではないのだけど、一番安いので仕方なく買っている。それに最近では、讃岐うどんも長めに煮込めば十分美味しく食べられることに気がついて、それでうどんばかり食べている。
ところがどうしたことか最安の讃岐うどんが売り切れている。というか冷凍品コーナーに讃岐うどんのスペースがないので入荷もしていない様子。あるいは広告の品であるお好み焼きに棚を奪われたのかもしれない。とにかく、いつもの178円の値札だけは残っているけど、肝心の178円の冷凍うどんが無い。仕方がないから238円の地粉うどんを買ってきた。はたして「地粉」とは何を指すんだろう。パッケージを見る限りでは製造は埼玉県の会社のようだけれど、埼玉県産の小麦粉を使っているとはさすがに信じがたい。ほっかほっか亭でアルバイトをしていた時に「手作り豚汁」がちっとも手作りじゃなく、冷凍された状態で出荷したきたものを温めただけじゃないかと話していたことを思い出す。たしかあの頃は、店で作っていないけれど、きっと工場でパートのおばちゃんが手作りしているに違いないと結論づけられたような気がする。
鍋に湯を沸かす。だいたい沸いてきたところに冷凍うどんを入れるわけだが、いつも使っている片手鍋に地粉うどんが入らない。なんだこの無駄にデカいサイズは。3秒間くらい慌てふためいたけど、冷凍うどんなんだから溶ければ入る。案の定10秒後には鍋の中に収まった。それから鍋にめんつゆと、かつて味覇と呼ばれていた化学調味料を入れる。だいたい溶けたらほうれん草をちぎって入れる。ほうれん草は包丁で切ることなく手でちぎれば食べられるので便利食材である。最後に溶き卵を流し込んだらフタをして、電源ボタンを押してWindowsが立ち上がったくらいで出来上がりだ。
それで、ここまでのくだりのほとんどはいらなかったんだけど、ひとくち食べて思ったのはやっぱりうどんは美味しいなということで、それは言い換えれば、やっぱり讃岐うどんは好きじゃないなということ。地粉うどんは決して私の好きなタイプの細麺のツルツルしこしこのうどんではなかったんだけど、それでもうまいなあって思った。讃岐うどんではそうは思えなかった。でもそれは讃岐うどんだからではなく、安物のうどんだからかもしれない。ローソン100のうどんは不味かったからもう二度と買わないと思ったし、同じようなうどんでも違いはある。だけど、ちょっと長めに煮込むことで私は讃岐うどんを克服したんだと思っていた、がそれは勘違いだったんだと思い知らされた。地粉うどんの腰の弱い極太麺は、私はあれを何うどんというのか知らないけれど、美味しかった。あと量も多いような気がする。気のせいかもしれない。気のせいだとして食べ応えはあった。1食あたり10数円の違いなら地粉うどん万歳だな。