ダメだな。文章を書こうと思うと書けないわ。要はさ、飯を食おうと店に入って、席に通されたら、机にスープが置かれていたんだよ。私が着いたときには、既に、あったの。それが気に入らないっていう話。たぶんさ、私が店に入ってきたのを見て、用意しておいたんだろうよ。でも、わかんないじゃん。いつからあるのかわかんないじゃん。前の客の残したものかもしれないじゃん。お飲みくださいの一言もないわけよ。嫌じゃん。だから一切手をつけないでいたんだけどさ、でもそれも良くないな、って思うわけ。だって、何も言わずに、ただ手をつけないでいたって、あの人スープ嫌いなんだなくらいにしか思わないよねきっと。なんだかわからない謎のスープが卓上にあることが気色悪いだなんてその店員には想像だにできないから、予めスープを置いた席にその説明もないままに案内するなんてことができるんだろう。その気色悪さを教えてあげないといけなかったんだよな。でもさ、なんで私が店員の教育をしなくちゃいけないんだ、という気持ちも同時にあるわけだ。こっちは客なんだよ。なにもお客様は神様だとか言うつもりはないけど、なんで金払ってまで店員の指導を行わないといけないんだという気持ちはどうしても出てくる。ましてや、そんなことを指摘したところで感謝されやしないんだ。向こうからしたらうるさい客だよね。下手したらクレーマーだよ。下手しなくても、紛れもなくクレーマーか。言うほうも、言われるほうも不快になる。じゃあ言わないほうが良くない？ そんなことを考えながら食べる飯のうまくないことうまくないこと。それでまたイライラしてさ。ここまで来るともう別に店員が悪いというわけでもなく、私が勝手に余計なことを考えてはストレスを増やしているだけじゃん。いっそもう悪の象徴たる存在がいてくれれば全部そいつのせいにできるのに、でも実際には店員に瑕疵こそあれ、そこまでの悪ではないんだから、このやり場のない苛立ちをどこにぶつければいいの？ 私がクレーマーになって嫌われれば良かったの？
