豚ハツ

冷凍の豚ハツを買った。何故なら安かったからである。

年末に買って、なんやかんやバタバタして、年が明けてから解凍することになった。パックのまま冷蔵庫に一昼夜置いて解凍した。すると翌日、ドリップがすごい。このままではいけない気がして、水洗いして、ペーパータオルでよく水気を取った。水分が取れたら全体に昆布茶(粉)をまぶして、保存バッグに入れる。さらにローズマリーをまあそこそこの量入れて、中の空気を抜いて口を閉じる。

封をしたらバッグごと鍋の中に入れる。鍋には80℃程度のお湯がたっぷりと入っていて、肉を入れると60℃弱に下がったので、少し火を強めて、65℃か、少し下回るくらいを目指す。そうしてたまに温度を確かめながら、2時間放置する。いや、実際には面倒くさくなったので、火を止めてから一晩放置した。

そうして翌朝、鍋からバッグを取り出す。なるほど、悪くなさそうな色合いだ。これはうまくいったのではないかと思いながらバッグを開ける。くさい。ビニルバッグの中から血生臭いにおい。これはいけない。流水で洗ってはみるけど、やっぱりくさい。どうにもくさかったので、スライスしてから湯引いて食べた。それだけで食べるとやっぱりくさいけど、味をつければ特に気にならない程度にまでは落ち着いた。

今までハツを食べてくさみを感じたこともなかったので気にしていなかったが、よくよく思えば、ハツは内蔵肉だ。心臓なのだ。くさくても当然である。だけど、茹でこぼすなりなんなりすればさほど気になるようなくさみでもなかったはずのものが、密閉したまま調理したものだから、くさみはどこにも逃げ出せず肉の中にとどまり続けた。決して食べられないほどのものではないが、うまくない。