街頭演説

仕事帰り、駅前で山本太郎が演説していた。やはり喋るのが上手いなと思った。

私が聞き始めたとき、彼は自分の政治信念を語るというより、政治参加を聴衆に訴えていた。国政選挙であっても投票率は50%をちょっと越えた程度で、つまり半分の人たちは選挙に行っていない。だから投票していない人たちが団結すれば政治は変わるんだ、というようなことを言う。もっともな話だ。

 

私は必ずしもれいわ新選組を支持はできないけれど、もっと議席を伸ばして、国会での発言力を高めるべきだとは思っている。*1 そして、山本太郎が同じようなことを言っていたのには少し驚いた。

曰く、この22年間で政府支出の伸び率が、戦争・紛争を抱えている国以外で、最も低いのは日本だ。同じ期間、GDP伸び率が最も低いのも日本である。政府が経済に投資しなければ伸びるわけがない。それを変えなければならない。れいわ新選組が政権を取ればそれができるけれど、政権を取ることはできなくても、議席を伸ばせば、国民が財政出動に関心を持っていることを政府に示すことができる。そうやって政治を変えていくこともできるんだ、と言っていた。まったく正しいと思えた。


だけども、ここで過去20年ではなく22年としたのにはもちろん意図があり、つまりは97年は円が高かったので、ドルベースでの当時の政府支出やGDPが高くなり、円安の現在の数字は小さく出るので、結果として伸び率がより小さく見えるトリックだ。これはちょっとやらしいなと思う。

また彼は、生きることがつらいと思う人を一人も出してはいけないと言い、それこそが政治の仕事だと言っていたが、それは私には宗教家の仕事に思えた。不幸な人を減らすことはもちろん政治の仕事ではあるが、ゼロにしなければならないものではない。政治の力でゼロにするとなると、それは国民に幸福を強いる管理社会でしかない。それは我々の目指すべきところではないのだ。だかられいわが政権を取るべきだとは思えない。けれど、もう少し、議席を増やしてほしいところではある。

 

 

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演説を聞き終えてから、ラーメンを食べた。ラーメンというか、冷やしまぜそば、だ。緑の野菜がふんだんに盛られていても、ちっともヘルシー感はなく、馬鹿みたいに盛られたニンニクがよく合うジャンキーなメニューだ。

食べ終えて店を出ると、雨が降っていた。たしかに雨が降るという予報だったなと思い出す。