お肉券が届かない

近隣ではそこそこに評判のトマトラーメンを食べた。何味なのかよくわからないマイルドなスープに、軽く煮たと思われる柔らかいトマトが乗り、さらに大量のバジル。そんなに悪くはないけど、わざわざ1000円近く払って食べるようなものでもないなあという印象。

 

マスクを着用しない人は入店お断り的なことが掲示されていた。マスクを外さないと食べることもできないのに、ラーメン屋でマスクをすることがそんなに大事なんだろうか。カウンターでは常連と思われる二人組が、食べ終わった丼を前にいつまでも大きな声で喋っていて、もちろんマスクなんてしていない。店員も注意するでもなく、むしろ会話に参加しており、まあそんなもんだよなあとは思う。本音と建前が別なのは理解できないわけでもない。でもそれに付き合わされるとなるとどうしても苛立つ。

 

 

観光業支援政策だって、支援自体が必要であることは理解できるし、ある程度は感染が広がってでも経済を守りたいんだという強い信念があるのなら、それが間違っているとも言い切れない。感染防止と経済活動はどこかでバランスされるべき点があるのは確かで、現状ではそれがどこなのかは誰にもわからない。もしかすると今はみんな閉じこもり過ぎであって、もっとアクティブであるべきなのかもわからない。だからもっと外に出て金を回すべきだというならば、私はそうは思わないけれど、理屈として理解することはできる。

でも、そうじゃないからイライラする。一方では市中で感染が広がっていると言い、特定の業態が政府から名指しで責め立てられ、あるいは激甚災害のボランティアスタッフ募集すら抑制されているのに、他方で旅行を促進して補助金を出すというのはどんな理屈を以てすれば理解することができるだろう。こんなことならお肉券のほうがまだマシだったじゃないか。