生きているということ。
いま生きているということ。
お腹が空くということ。
ご飯を食べて、消化吸収されて、残りカスが排泄されるということ。
少しお腹の調子が悪くなると、何度もトイレに駆け込んで、そのたびに紙で尻を拭くけれど、肛門が度重なる摩擦に耐えきれず、紙に血がつくということ。
あるいは尻を傷めないようにいつもとは違った動きを試しては指にうんこがつくということ。
振り返るに、これまでの人生で3歳か4歳かを最後に、今まで正しい尻の拭き方を誰に教わったでもなく、もしくは誰かと議論したこともなく、完全に自己流で、しかし自ら研鑽を重ねることもなく、大した模索をしてきてすらいない、もしかすると尻を痛める拭き方をしてきたかもしれない、うんこの残る拭き方をしてきたかもしれない、私だけが誤った拭き方をしているのか、多くの人たちも同じように誤っているのかもわからなければ、正しい拭き方があるのか、あるいはそうした研究がされてきているのかもわからないまま、今もどこかで尻が拭かれているということ。