インターネットラジオ

MusicHyperMarketが終わった。*1 J-waveが運営する、18年間続いたネットラジオ番組だ。CMが入るわけでもなく、放送番組の宣伝さえ入らない、100%赤字企画なので、逆によくもまあこれまで続いてきたなあというところでもある。

 

ラジオNIKKEI聴く日経*2はこの冬から無料公開を廃止し、完全に有料制となった。ただの娯楽であったMusicHyperMarketとは違い、とても便利な情報源だったためなんとも惜しいところではあるが、幸いにも金さえ払えば引き続き聞くことはできる。しかし1タイトルで540円というのは、ううむ、なかなか踏ん切りがつかないままでいる。

 

TBSラジオのsession-22*3の配信は相変わらず続いているが、こちらは数年前にRSSでの配信が終わってからあまり聞いていなかった。聴く日経の無料配信が終わったのを機に、また聞こうかと思い立った。
しかし、使いにくい。TBSラジオの配信公式アプリであるラジオクラウドの使い勝手が悪い。アプリを立ち上げてから番組再生に至る動線の長さも気に入らないし、何より1番組がいくつもに切り分けられてしまって連続再生できないことが不便で仕方ない。画面操作ができないからこそ音声メディアを欲しているのに、それがぶつ切りされ操作が必要になるようでは意味がないじゃないか。

 

移動中や、あるいは他の作業をしながらでも聴取できる音声メディアはとても便利だ。どうしてもっと普及しないんだろう。
いや、似たような言説を目にし、私もオーディオブックを試してみたけどたしかにあれはダメだった。文字メディアを音声化したところで、それではあまりに冗長となってしまう。1時間で読み終わるような新書本であってもその何倍もの時間再生し続けなければ読み終われない。小説ともなればさらに多くの時間が必要となる。そんな時間が取れないから音声で聞きたいと思ったのに。本末転倒だ。
しかしラジオプログラムの配信は違う。音声で聴くことを前提として作られたものなので、過度に冗長にもならず、また内容も平易なので前章を参照しながらでないと読み進められないようなこともない。気軽に聴取しやすく構成されている。だから移動しながらでも、他のサイトを見ながらでも、家事をしながらでも聞くことができる。これが便利なのだ。
それなのにだ。やれIoTだウェアラブルだと言われながら、どうしてかポッドキャストが、音声メディアが先細っているように思える。というかまあ、どうしてか、なんて言うまでもなく収益が得られないからであることは明白で、webメディアの強みであるクリック課金広告は不可能だし、1コンテンツごとの販売というのも難しく、多くのオーディオブックサービスがそうであるようにサブスクリプションとするか、あるいはradikoのように既存コンテンツを既存広告込みで配信するかしかなく、前者は新規加入の獲得が難しいにもかかわらずヘビーユーザーによる利用ばかりが増えて採算が立ちにくく、後者はそもそも新しい収入がほとんど見込めないまま管理費ばかりがかさんでいく。だからせめて利用者がもっと増えてくれれば広告収入でいくらかペイしやすくなるはずなのに、しかしどうもその様子もない寂しさ。

 

最近ではラジオクラウドはもう諦めて、アプリ自体がより重たくもっさりしているけれど、1番組の連続再生が可能であるradikoのタイムフリーを利用するようになった。radikoは必ずしも素晴らしいとは言い難いが、とても頑張っている感はある。