Chromebookを買った

2011年に買ったデスクトップPCはもう寿命を迎えつつあった。電源を入れても立ち上げることができず再起動を繰り返すことが度々あり、利用中突然に再起動を始めることも増えてきた。以前に一度HDDが死んで、SSDだけ買い替えたことはあったけれど、今回の原因がどこにあるのか確信が持てず、部分的な更新もあまり現実的には思えなかった。


PCを買い換えなければならない。しかし予算は限られている。そこでChromeboxを買おうと思った。

ChromeboxというのはChromeOSの乗ったミニPCであって、別途にモニター、マウス、キーボードなどをそろえて接続することを前提としたものだ。それであれば今使っているモニターやキーボードをそのまま使うことができて、それはノートPCの小さなものと比べてはるかに使いやすいはずだ。

そう考えていたけれど、結局はノートタイプのChromebookを買うことにした。何故か。理由は大きく3つあり、第一にはChromebookのほうが安いからだ。そもそもChromeboxは取り扱いが少なく、家電量販店に見に行ってもひとつも置いてさえいなかったりする。扱っている店、サイトもあるのだが、Chromebookのように値下げされることはなく、性能に比して割高に見えてしまう。2つ目には、ChromeOSのサポート期限が短いことがある。現在販売されている機種の多くが2025年から2028年頃にはサポートが切れる。だからデスクトップ型のほうが長持ちするんじゃないかといった考えは意味がない。どんなに大事に使っても10年もつことはないのだ。サポートが切れると一切使えなくなるというわけではないし、OSを入れ替えるということだってできないわけではないだろうが、どちらもあまり現実的な選択肢ではないように思える。3つ目には、Chromebookであっても外付けモニターを繋げば使えるじゃないかということだ。だからノート型の小さいモニターで我慢することなく、Chromebookであっても大きな画面で、Chromeboxよりも安く、同じだけの期間使うことができるということだ。


買ったのはacerのCP311-3H-A14Nだ。大したスペックではないが、3万円ほどと安かった。店頭で触ってみたけども、大きな不満も感じなかった。文字入力は、キーボードが小さい不便はあるけれども、特に大きな問題は感じなかった。動きも十分にスムーズで、スペック不足を感じることもない。それは実際に購入して、自宅で使ってみても変わらない。ブラウジングを目的とするなら、そんな大したスペックなんていらなかったんだ。
では問題がまったく無いのかといえば、もちろんそうもいかない。買う前から認識していた大きなデメリットとしては、iTunesが使えないことだ。音楽プレイヤーとしてではなく、iPhoneのバックアップができないことだ。とはいえWindowsPCも完全に死んだわけでもないので、必要なときに短時間起動するくらいなことならなんとか耐えてくれるんじゃないかと期待したい。もうひとつのデメリットは、外部接続ポートが限られることだ。USBが1つと、Type-Cがひとつしかなく、しかもそのType-Cは電源供給用なので、ハブを用意しないと何もできないと言っても過言ではない。Type-Cは電源供給用だと言っているのに、映像出力はType-Cを前提とされていて、もうなんなんだこの筐体は。なのでType-Cを親にしたハブを買う他に選択肢はなく、また、モニターに繋ぐためにはHDMIへの変換も必要となる。*1

購入後に実際に使ってみて感じたデメリットは以下の2つ。ひとつは、付属のキーボードがくっそ使いにくいということ。大きな不便は2つで、Deleteキーと無変換キーがないこと。特に私はカタカナを使うときに無変換キーを叩く癖があるので、それが無いことで英数キーをうっかり打鍵してしまうことが何度あったことか。ショートカットがWindowsと微妙に違ったり、そもそも無かったりすることも不便ではあるが、こちらはそんなに多用するわけでもないし、いずれ慣れるだろうとは思う。もうひとつのデメリットは外部モニター出力の解像度だ。異様に低い。モニターサイズの半分くらいしか活用できていないのではないか。*2 それでせっかくの大画面でも間延びした低画質を見せられることになってしまうし、TweetDeckなんかだと画面に入り切る情報量が大きく減ってしまう。
あとはデメリットというほどのことではないけど、どうもあまり勝手が良くないなと思うのは、Playストアから落とした各アプリだ。多くのアプリはAndroidスマートフォンでの利用を想定して作られていて、なのでより大きい画面上ではどうにも見やすいとは言いにくく、しかもそれが横画面で見るというのだからもう酷いもの。それとプライムビデオなどの一部のアプリは、外付けモニターの存在がお気に召さないようで、再生しながら別画面で別作業なんてしようものなら動画は止まって画面は真っ黒になる。そうした不便はあるけれど、多くはブラウザ内でなら問題なく扱うことができるので、さほどの問題とも言えない。やはり最大の問題はモニターへの出力が小さくなってしまうことだろう。それ以外の点は、まあ安いんだから仕方がないかと思えるとことであり、いや、むしろこれだけ安くてもブラウジングに関してはまったくと言っていいほどに遜色なく使えていることに驚くほどだ。ブラウザの名前を冠しただけのことはある。

*1:USB TypeC ハブ 5 in 1 Lemorele 4K対応 USBC HDMI アダプターLANポート PD充電対応 ドッキングステーション MacBook Air 2020 Surface Go 2 Chromebook Pixelなどに対応を購入した。レビュー通りにかなりの熱を放つが問題なく利用できてはいる。

*2:どうやら1920×1080あるところに1280×720しか出力できていないらしい