燃えるゴミ

え、今日ゴミの日じゃん。今朝ゴミ出してなくない? ということを仕事帰り唐突に思い出して、少しブルーになりながら寄った近所のスーパー。

ブルーだろうとピンクだろうとイエローでも関係なく週に3日くらい通っている。今日は水沢うどんと、豚スライス、プリンを買ってレジで会計を済ます。セミルフレジなので、店員が打ったら精算はタッチパネルで行うシステムだ。そこでクレジットカードを差し込むと、「取引終了の合図で出るまでカードを抜かないでください」というメッセージが表示される。数秒の処理の後に「カードを抜き取ってください」という音声案内とともに、画面にも同様のメッセージが出る。なので当たり前にカードを抜いて財布にしまっている最中に初めて気付いた。「取引終了の合図」が出ていないのだ。
誰だよこの糞システム作った奴は。自分で決めたルールを自分で守ってないじゃないか、と脳内で文句を言う。このときにはまだ、ルールを守れていないのは精算機だと思っていた。でも、そうじゃないんじゃないか。つまりは、「取引終了の合図で出るまでカードを抜かないでください」と記されていたにも関わらず、「取引終了の合図」が出る前にカードを抜いたのは私だ。ルールを守れなかったのは私のほうなのだ。けたたましいアナウンス音が流れようと、「取引終了の合図」が出るまできちんと待つべきだったのではないか。ついさっき言われたばかりなのに、カードを抜かずに待つ、ただそれだけのことなのに。それすらできなかった。レジスターの期待を裏切ってしまった。
この代償は大きい。もう気づかれてしまったのだ。こいつは30文字足らずの文すら正しく読み取り、実行することができないぞ、と。それはつまり、3割くらいプラスして請求しても、きっとバレないということじゃないか。もしかすると、そうして馬鹿リストを収集しているのかもしれない。そう考えるとやっぱりまた腹が立ってきた。誰だよこんな糞システム作った奴は。
とそんなことを考えながら家に着く。そして部屋に入って驚いたことには、ちゃんとゴミ捨ててるじゃん。いつの間に。これが阿頼耶識というやつだろうか。