何年ぶりかわからない。以前に何度か来たことのある店にハンバーガーを食べに来た。もっと高級店ではわからないが、私の知る限り一番ハンバーガーの美味しい店だ。しかし、以前はこんな元気な店だっただろうか。もっとサブカル感ある雰囲気だった気がしたが。気のせいかもしれない。当時のハンバーガー店は多くがサブカル感を滲ませていた。
10年近く、随分と久しぶりに来た。こんな垢抜けた店だったっけなあという思いが強い。音楽が大音量でかかり、客層も若い。客が若いのは、今が春休みだからというのもあるかもしれないし、単に私が年をとったせいで周りが若く見えるだけかもしれない。

 

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チリチーズバーガー。
味は間違いがない。肉はよく焼かれ、表面はカリカリさえしているが、決して焦げたりはしていない。噛めば口の中に牛の味が広がり、かといって脂っこくなりすぎることもない。辛みはあるけど、辛いだけじゃないチリソース。豆が、トマトが、レタスが、バンズまでもがしっかりと味を出している。こんなに個性の強い食材を揃えながら、ちゃんとパンの味がするのだ。それぞれがしっかりと主張しながら、きちんと調和している。1300円もするだけのことはある。いや、たった1300円でこれほどの満足感を与えてくれる店なんて滅多にない。
窓の外には行列ができている。こんな時間なのに、1000円以上も払ってハンバーガーを食べたい人がこんなにいる。とんだ人気店だ。だから10年も店が続いているのでもあるのだが。この10年ほどの間に、多くのハンバーガー店が消えていった。まだ残っている、こんなに美味しいハンバーガーを提供し続けてくれていることにもっと感謝すべきなのかもしれない。そう考えると、いつまでも居座り続けるわけにもいくまい。せっかく時間が空いたからのんびりしたいと思って足を運んではみたものの、そううまくはいかないらしい。