無塩醤油をググってわかったいくつかのこと

私は、スモークサーモンには醤油の香りが乗ることで美味しさが増すと思っていて、でもただでさえしょっぱいスモークサーモンにさらに塩味が強まることが少し嫌だと思う気持ちもあり、それでもやっぱり醤油を垂らしながら食べていたんだけど、無塩の醤油とか無いのかよ、絶対あるだろ、と思って検索すると案の定出てくる。

検索ヒット数はかなりあるけれども、どうやら該当商品は概ね2種類に限られ、たぶんもっと懸命に探せばまだまだ出てくるんだろうけど、ざっと見た感じでは2種類だった。

一方は小袋入りの商品で、*1 それは減塩商品を多数扱っているサイトのオリジナル商品だというが、宝塚にあるというその会社の事業内容には商品の開発・販売とあって、生産しているとは記されていなかったので、自社サイトでの小袋での販売という商品企画開発を行っただけで、実際の無塩醤油の開発・製造は他社が行っているんじゃないかと思われる。*2

もう一方はスプレーに詰めた商品を中心に扱っていて、*3 こちらは醤油と名の付く会社で、福岡にて文政年間の創業らしいので、たぶん実際に製造もしているっぽくて、でもその特殊製法よりも醤油ソムリエの存在に重点をおいたブランディングをしているところに若干の違和感が残った。*4

そうしてもう少し他のサイトを漁ってみると、無塩醤油の健康効果を説くジャーナルが見つかる。*5そこで著者らが無塩醤油様調味料を開発したとの記述もあり、なるほど彼らが開発したものを使って上記商品が製造されているんだろうなと納得した。著者名の中には福岡の協同組合の名前もあった。

ところでジャーナル内ではJAS規格の「しょうゆ」の定義とは異なるので「醤油様」と記述するとされており、しかし上記2社製品はいずれも「無塩醤油」と謳っていることが気になった。

そもそもJASとは何かというと、日本農林規格のことで、日本農林規格法に基づいて定められた規格に合致するものに認定を与えるものらしい。*6つまりはJISの農産物版であり、それが目指されるべき規格ではあるが、規格外でその語の使用が禁じられるたぐいのものではないようだ。

日本農林規格法ではそれとは別に品質表示の義務付けも定められていて、*7 その規格でも食塩を用いないものは「しょうゆ」に満たないようだが、*8 これは別途に「品質表示」が正確に示されていれば広告表示は可能なのか、あるいは「しょうゆ」ではなく「醤油」表記だから可能なのか、もしくはまったく可能ではないのか、そこまでは調べがつかなかった。