もうこれは酷いとしか言い様がない。
国内のカジュアル衣料分野で覇を競う、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングとしまむら。2016年4月に発表した両社の決算は、対照的な結果となった。しまむら(16年2月期)は3期ぶりに営業増益となったがファストリ(15年9月―16年2月期)は大幅な減益となり、明暗を分けた (「ユニクロ」と「しまむら」 なぜ業績で明暗が分かれたのか (ニュースイッチ) - Yahoo!ニュース)
記事には数字がほとんど出てこないので、これだけ読むとまるでファーストリテイリング(ユニクロ)よりも、しまむらの業績が良いかのような記述。しかし、実際にはファーストリテイリングは'15.9~'16.2月期の連結売上が1兆116億、営業利益は993億円(ファストリ、純利益45%減に下方修正 16年8月期 :日本経済新聞)。一方しまむらの'16年2月期の連結売上が5470億で、営業利益400億(しまむらの16年2月期、営業益9%増の400億円 :日本経済新聞)。規模も期間も違うのでわかりにくいが、これを営業利益率で表せば、ファストリが約9.8%で、しまむらが約7.3%となる。ファストリのほうが利益率が高い! それなのに、利益を上げているファストリのほうが何故か業績が低迷しているかのような書かれ方! なんなのこの記事は。
そもそもしまむらは落ち込んでいた業績がようやく上向いたに過ぎない。以下は昨年の記事。
「デフレの勝ち組」とされてきた、低価格のカジュアル衣料大手、しまむらが岐路に立っている。3月30日に発表した2015年2月期の決算は、売上高が前期比2%増の5118億円、営業利益が同12%減の368億円に沈んだ。2014年2月期も約8%減で、2期連続減益は1988年の上場来初だ (岐路に立つしまむら、デフレ勝者の賞味期限 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準)
しまむらと比べるのが不適ではあるけど、ファストリの落ち方がすごいことには変わりはない。
とはいえ、それでもまだしまむらより高い利益率を保っている。むしろファストリの利益水準がどうかしている。ファーストリテイリング恐ろしい。