シェアハウス五七五でのもやもや

この件、もう少し関係法令に詳しい人の見解を聞いてみたいんだけど、どこかにないものかししら。
 


 

東京都国立市のシェアハウスで暮らすシングルマザーの女性(41)が、同じ家に住む独身男性と「事実婚」の関係にあるとみなされ、市が十一月、ひとり親家庭を対象とした児童扶養手当と児童育成手当を打ち切ったことが分かった。事実婚の実態はないが、市は「都の見解に従い、同じ住所の男女は事実婚とみなす」と説明。女性は「住所が同じだけで打ち切るなんて」と憤る

  

それじゃあアパートに住んでいると事実婚になるのか、なんて声も見られるけどそうではなくて、これってたぶん建築用途が戸建住宅になっているからなんだと思うんだ。たぶん。だから共同住宅なら共同住宅で、下宿なら下宿で、用途変更が必要になるんじゃないかと。そうした意味での「シェアハウスの形態を想定しておらず」なんだろうと思っている。
 
だとしても事実婚かそうでないかくらいすぐにわかるだろ行政の怠慢じゃないか、みたいなことを言う人もいる。事実婚かどうかが簡単にわかるかどうかはとりあえず置いておいて、仮に事実婚じゃないことがわかっていたとして、それならば当該シングルマザーに対して手当の支給を認めるべきかといえば、必ずしも頷けない。行政処理は出来得る限り人間の判断を介さずに書類上の手続きで是非を判断するべきだからだ。書類上で曖昧な箇所を人間が判断することはもちろんあるだろうが、書類上で不可であるところで人間が判断を覆すというような人治主義は避けていきたい。その権限を行政が握ってしまっては、たとえば担当者と仲が良ければ厚い福祉を受けやすくなったり、あるいは前科持ちや社会運動家は、不細工やコミュ症は手当が受けられないなんてことにもなりかねない。
というのは一般論として、この記事の場合ではもしかすると手当を受けられることを確認した上で入居先を決めたかのようにも読める部分もあって、もしそうだとすると支給を打ち切るのなら相応の補償が必要なんじゃないかと思えてもやもやするところではある。
 
シェアハウスというものは今かなりのスピードで広まっているように思える。だけれど政府の対応はそれに追いつけていないのが現状だろう。戸建て建築をそのままシェアした場合、同一世帯とみなすのか、それとも別世帯として扱うのか、あるいは用途変更していなければ不法行為として取り締まるのか。そもそも用途変更のための工事費用には耐えられない事業者も多いだろうし、そうした手間やコストをかけずに活用できるからこそシェアハウスが広まっているんじゃないかとも想像できる。だからどうしろと一概に言えるものでもないけど、そろそろ国が何らかの方向性を示して法制化を目指していった方が良い時期なんじゃないかしら。