建設的コメントハック

はてなブックマークが人気コメントを調整するようになったのは良い施策だと思っている。

 

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これが特にうまいなと思ったのは、内製せずにYahooのAPIを使用しているところ。このAPIはてな社独自のものであったらユーザーの不満噴出は今の比でなかったことは想像に容易い。きっと悪意はないんだろうが、何故か彼らははてな社や、自民党、日本のものは欠陥であり、他社や、野党、欧米のものであれば優れていると無意識に考えがちなバイアスがある。だからこのシステムが、実際には技術が未熟で外部に頼らざるを得なかっただけだとしても、外部から調達したことは比較的良い結果につながっているんじゃないかと思える。


他方で、やはりはてなブックマークユーザーは愚かだなあとも思うし、はてな社がそうしたユーザー層を誘導しきれていないのもまた残念に思う。
というのも、ブックマークユーザーの間でアルゴリズムハックが目指されていることだ。承認欲求に飢えた彼らが、どうすれば排除されずに「人気コメント」に表示されるようになるのかを渇望するのは当然だ。そうでなくても、自ら利用するサービスの仕組みを理解したいと考えるのは自然なことだろう。本来であれば、それを知りたいと思っても、実際に知るに至るのは困難だ。しかしはてなブックマークは、多数のブックマークコメントを残すことの容易さと、アルゴリズムを知りたいと思い協力することもできるユーザーのコミュニティの存在がそれを可能にしてしまっている。排除の基準が知らしめられれば、そのギリギリが狙われ、制度設計の意図にそぐわない結果が生まれることになる。望ましくない。しかしブックマークの無駄撃ちは容易で、既にコミュニティは作られている。それらを廃することはソーシャルブックマークサービスの根幹を揺るがすことになる。どうしようもないのだ。

とはいえもちろん無いより有ったほういい。完璧ではないけれど、ヤフコメほどの効果は得られないかもしれないけれど、それでも良くなった、良くなっていくんじゃないかと信じたい。