デオコというボディソープがある。
ロート製薬が発売している若年層向けの商品だ。
それを使うことで自分から女の子の匂いがするようになるだとか言い出す者が現れた*1。
曰く、脳がバグり、背徳感がハンパないという。
俺は限界だと思った。
まず女の子の匂いなるフレーズからして気持ち悪い。
しかもそれがだ。
化学的に、後付けされた匂いによって、何故脳がバグるのか。
何故背徳感が生まれるのか。
背徳感とはその痛々しさのことなのか。
もしかして脳ははじめからバグっていたのではないか。
まったく理解できない。
なので、デオコを買ってみた。
ボトルからは、開封するまでもなく、その匂いが漏れてくる。
ごく化学的な匂いで、これが女の子の匂いなんだろうか。
たしかにこうした匂いをさせた若い子はいる。
でもそれは、体の匂いというよりも、シャンプーやボディソープの匂いだと感じるのが普通だろう。
女の子匂いというよりは、女の子が使いがちなボディーソープの匂い。
それにしても匂いが強い。
普段は香水も付けず、極力香料も抑えた商品を使っている私には、耐えかねる匂いの強さだ。
初日は下半身を洗うにとどめたが*2、それでも手から漂う匂いで半ば嫌気がさした。
脳がバグるでも背徳感に打ちのめされるでもなく、自分から自分のものでない匂いがすることがつらかった*3。
もう一日下半身のみに使った翌日、いくらか慣れてきたのもあり、ついに上半身もデオコで洗った。
すると案の定デオコの甘い匂いが体から漂う。
時間が経てば体からの匂いには慣れてくるが、手を顔に近づけると、思い出したように匂ってくる。
やはり私にはこれが女の子の匂いという認識は持てない。
ただただ自分の体から甘ったるい匂いが漂い不快だというだけたった。
600円を費やしても得られるものはほとんどなかった。
*1:リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
*3:自分の匂いがすることもそれはそれでつらい