はてな匿名ダイアリーというサービスがあって、その英語表記anonymous diary(アノニ"マスダ"イアリー)から増田と呼ばれている。サービスを増田と呼び、そのユーザーも増田であり、さらにはコンテンツも増田なので厄介。つまり、増田が増田で増田を書く、ということ。わかりにくい。
その増田が数年来スパムに悩まされていたんだけど、先日ついにはてな社から有効な対策が打たれ、スパム撲滅に成功したようだ。多くのユーザーが喜びの声を上げているんだけど、本当にそれでいいんだろうかという話。
「いいんだろうか」というのは、「いいわけねえだろ糞ったれが」を意味する反語では決してなく、本来の意味での疑問。いいのかなあ。どうなんだろう。
はてな社はスパム投稿を放置していたのか。否。スペースでは通報したスパムは翌日には消えていた。問題は数が多すぎることであり、通報による削除ではとても追いつかない。
はてな社はスパム投稿を行うアカウントを放置していたのか。否。スペースではスパム投稿を行うアカウントが消えている様子が確認できた。そして日々新しいアカウントからスパム投稿が繰り返されている。しかし数週間程度生き延びているアカウントが存在しているのもまた事実。
はてな社はスパム投稿を防ぐ措置を何も取ってこなかったのか。否。増田やハイクでも、あまりに短時間での連続投稿は制限されている。スパムが疑わしい投稿に関しては、画像による認証を行い、機械投稿によるスパム行為を防いでいる。問題は、どうやらスパム投稿が機械投稿ではなく、人力によるものじゃないかと思われることにある。
私が人力によるスパム投稿を疑ったのは、スペースでのスパム投稿先に大きくムラがあったことによる。はてなスペースは、ジャンルごとに板やスレッドのようなもの(スペース)があり、そのスペースに書き込んでいくかたちをとる。機械による自動投稿であれば、予め決められたスペースや、その時もっとも投稿数の多いスペースにひたすら書き込まれ続けるはずだが、実際のスパムは違った。一度ターゲットとされたスペースも延々と投稿され続けるのではなく、スパム投稿にはムラがあり、場合によっては数日間が空くこともあった。その間には別のスペースがターゲットにされていた。
自動投稿ではなく人力によるものだから、画像による認証も意味を為さない。CAPTCHAというらしいが、これはコンピュータによる自動投稿を防ぐことには有効だけど、PCの向こう側にいる人間の手によるスパム投稿には意味がない。はてな社の講じてきたスパム対策は、人力によるスパム行為にはあまり効果が上がらなかった。たぶんそういうことなんだろうと私は考えている。
機械投稿を弾くシステムではスパムを廃すことができない。それではてな社はどうしたか。非日本語ユーザーの投稿を弾く措置を取った。
これはエイプリルフールに一度取られた対策だった。そして、私はその時にも同じことを書いた。
はてな匿名ダイアリーに「はてラボセンター試験認証」を導入しました - Hatelabo Developer Blog
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効果があったためって、なぞなぞ認証は前からやってるじゃないですか。/ 機械入力を弾くのではなく、非日本語文化圏からの利用を弾くかたちになってしまっていて、本当にそれでいいのかという感がしなくもない。
2016/04/02 20:14
非日本語ユーザーを追い出すことは必ずしも悪いことではない。おそらく利用規約は日本語でしか書かれていないはずであり、利用するためには規約を理解している必要がある。日本語を理解していない(≒規約を理解していない)ユーザーがサービスを利用できなくする措置が、間違いだとは言いにくい。