知らなくても選択しなければならない問題

なんかはてなブログからメールが来て、1年前のブログを振り返ろうとか言ってるわけ。あーはいはい、とか思いながらも挙げられているのが知らないと検索できない問題 - 殴る壁で、ああそうだなと思うところがあったので書き出してみる。

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というのも、だ。最近はてなでは大学中退した人が話題じゃないですか。妙に叩かれているじゃないですか。叩かれているというより、馬鹿にされてる、かな。どっちでもいいけど。
俺だっていろいろ言いたくはなる。自分の意志で選んだ大学はダメだったのに、今度の「事業」だっていったい何が違うんだとか。在学中に起業して退学した実業家は多いけど、退学するのはだいたい事業が軌道に乗ってからだろとか。でも俺だってそんなこと言える立場じゃないわけだ。俺だって楽して好きなことだけして生きていきたい。別にレールを上を走って成功したわけでもない。くだらないと思いながらささやかな抵抗を繰り返してきた。知識もないのにやりたい分野に飛び込んだり、経験もないのにスタートアップに参加したり、その結果がこのザマなわけだ。
いや、俺の話はいいんだ。そうじゃなくてさ。結果論として間違った選択ってのはどうしても出てくるんだ。そして往々にしてそういう選択は、傍目から見ても間違っている。*1 だけど当の本人だけがそれをわからない。理解するだけの知識も経験もないんだから。

 

学生時代に人脈作っとけとかクレカ作っとけとか、そういう話はよく出回っているんだけど、こういう健康リスクの話はあまり多くない。あと、フリーランスは営業や雑務が必要になるから、好きなことだけしたい人は会社勤めのほうがいいよみたいなことをモフモフ社長がよく言ってる印象だったけど、検索するとそんなに言ってなかった。

 

こういう情報って働いている人にはある程度想像のつくところではあるんだけど、そうした選択を迫られるときって概してまだ若い。高校生や大学生だったり、働きはじめて間もないころであることが多い。*2 どんな仕事が、働き方があるのか、どんなメリット・デメリットがあるのか、自分にはどんな適性があるのか、ほとんど何もわからない。しかも質が悪いことに、本人は「わかっている」と思いがちだ。そりゃあ今までに怪我も病気もしたことがないと、健康リスクなんて言われても、健康管理には気をつけようくらいにしか思えない。でも選ばないといけない。マジ無理ゲー。そりゃあ若者も保守化するわ。
だから間違った選択を我々は嘲笑うべきではないと思うんだ。目指すべきは、レールを外れても戻ることができるようにすることだったり、勤務先への依存が強すぎるクレジットスコアの評価形式を改善したり、働けなくなったときのためのセーフティーネット整備を進めたり、だ。間違った選択を間違いでなくしていく。そういうことこそ必要だと思うんだ。

*1:極端に期待値が低いくらいの意味。必ずしも失敗が約束されているというわけではない。

*2:逆に齢をとってからだと選択肢が狭まる問題もある。