だいたい年に一度くらいは吉祥寺に行っているはずなんだけど、それ以上に久しぶりな感覚があった。いつも慌ただしく訪れるだけだったから、そんなに街を見られていなかったというのもあるだろう。
前に吉祥寺でのんびりしたのはいつだっただろう。当時はまだ伊勢丹が閉まって間もなかったように思う。新しく入居する運営会社は決まったけれどもテナントがなかなかみたいな話があったような、なかったような。現在ではそんな様子もまったく感じさせない。よかったねぇ、と近所のおばちゃんのような感慨を抱く。

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サンロードはすべてが変わっていた。もちろんすべてがすべてではないにしても、変わらず続いている店のほうが少ないくらいだった。三浦屋は伊勢丹跡に移り、あそこ服屋の名前も出てこないけどけっこう好きだったのにまさか中古PC店に変わってしまっているとは思わなかった。バウスシアターがなくなったことは知っていたけれども、その跡にラウンドワンが入っているとは思いもしなかった。西友だけは変わっていなかった。


ハーモニカ横丁は案外に変化が小さい。一般的なテナントと比べて、入出店に伴う作業がやりにくそうではある。スパ吉の内装は大きく変わっていたけれど、営業は相変わらず続いていたので、久しぶりにカルボナーラを食べた。

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パルコは大きく変わったわけではない、と思う。だけど、なんだろう。もう少し何かが違ったような気がする。その違和感に気づけないままエスカレーターを上り、ビレッジバンガードに入ってようやく気づいた。サブカルと呼ぶには少し薄く、わざと外したラインナップと、こっぱずかしいポップが並ぶ。そうだ、この店は何も変わっちゃいない。私が変わったんだ。もうビレバンに、パルコに来るような歳じゃなかったんだ。