ランチでハンバーグを食べた

外観の雰囲気からエスニックな店かと思って入ったけれど、もっとちゃんとした洋食屋だった。
ハンバーグは玉ねぎもつなぎも使わないビーフ100%の肉だった。
美味しかった。
けどそうじゃないんだよなあ。
たしかに美味しいよ。美味しいんだけどさ。100%にこだわらなかったらもっと美味しくできたんじゃないかなって思ってしまう。もっと脂を増して、ブイオンやらアミノ酸やらぶっこんで、卵と粉でかためたほうが美味しいんじゃないか。そんな風に考えてしまった。
なにも脂とうま味調味料をドバドバ入れれば入れただけ美味しくなるとか、そんなことを言いたいわけじゃない。最適なラインっていうのがあるはずなんだよ。その線引きは個々人の好みによって違うからなかなか断言しにくいところではあるんだけど、半端な肉を使ってビーフ100%を謳うよりも、もっと美味しく作ることはできたはずで、100%にこだわるあまり好機を逃してしまっているんじゃないかってこと。
もちろんもっとずっと美味しい肉を使うなら、その必要もないだろうし、むしろ牛の旨さを殺してしまうのかもしれない。でもその領域って、もっとすごく高いところにあると思うんだ。たとえば歌の上手い人って、あまり平坦に歌わないで、強弱をつけたり、ビブラートをきかせたりすることが多い。でも、そうすることで歌が上手くなるわけではない。中途半端な奴が、メロディを外れているのにビブラートをかけてきたら、もう苛立ちしかない。お前、そういうレベルじゃないよね。とりあえず音外さないで歌ってみろよ、って。なんかさ、勿体ないじゃん。そこそこ歌えているのに下手に格好つけたばかりに、余計に貧相に見えてしまう。もう少しうまくできたんじゃないかなあ、って。