大盛カレギュウ 690円

たしかにね、大盛カレギュウはライスが大盛でありながら、牛丼の具は並盛の量なので、バランスが難しいところはあるよ。
だからってさ、いくらなんでもやり過ぎなんじゃないかな。
知らないよ、俺だって何グラムが適切かなんてわかんないけどさ、そこまで正確な数字は知らないんだけど、それでも直観的にわかるよね。
わかるよ、これは誰だってわかるよ。少ないよ、誰がどう見ても。カレギュウの"ギュウ"が少ないよ。圧倒的に少ない。

心揺れたよ、定食ライス大盛無料の文字を見たときには。
だけど今日は違うんだ。カレギュウが食べたかったんだ。カレギュウを食べるために来たんだから、定食ライス大盛無料には惑わされながらも、100円を追加で支払ってカレギュウ大盛を頼んだんだ。豚バラ生姜焼定食ライス大盛なら590円ですむところを、敢えて大盛カレギュウに690円支払ったんだ。カレギュウが食べたかったから。
もちろんカレーじゃない。カレギュウだ。牛が乗ることに付加価値を見出して、210円余計に支払っている。
それなのに、だ。
それなのにこれが210円の牛の量なのか。
納豆やとろろとトレードオフのミニ牛皿じゃない。オリジナルカレーに210円分の付加価値が加わったカレギュウだ。それにふさわしい量なのか。これが本当にカレギュウのふさわしい牛の量なのかと。

本当にいいのか。
この量でいいと思って提供したのか。
よそう人と運ぶ人、二人もいながら選んだ結果がこれなのか。これが店の総意なのか。本当にそれでいいと思って働いているのか。それともいいわけがないことをわかった上で、それでも差し出しているというのか。