写真を撮る情熱を失っていた話

学生時代によく行ってた映画館が閉じるという情報を耳にして、久しぶりに映画を見に行ってきた。よく行ってたと言っても、元来がそんなに映画好きというわけでもないので、数ヶ月に一回行くか行かないかくらいの頻度。たぶん通算十数回しか行ってないんじゃないかと思う。それでもそれなりの愛着のようなものがあって、どうしても見に行かなくちゃいけないような衝動に駆られて、吉祥寺まで行ってきた。

吉祥寺には先月にも行ったのだが、その時はもう日が沈んでいたし、時間に遅れて急いでいたこともあり、改装工事が終わった吉祥寺駅をじっくりと見るのは初めて、というかこの描写いらないな。映画を見終わったところから仕切り直そう。

 

せっかく吉祥寺まで足を伸ばしたのだからと、懐かしい気持ちを胸に、吉祥寺の街の写真を撮ったわけだ。今はもうすっかりご無沙汰だけど、学生時代には結構写真を撮っていたので、そうした気分の昂ぶりがあった。

カメラを片手にブラブラ歩いた。サンロードから、ハーモニカ横丁から、井の頭公園。でも何か違うんだよね。写真を撮ることに没頭できないでいた。周りの目を気にして、萎縮している自分がいた。もう地べたに寝そべったり、話しかけて撮影の許可もらったりということができなかった。人波を撮影するのでさえ恐る恐るだった。

もうね、馬鹿かと。カメラに触るのが久しぶりで、腕は確実に落ちてしまっているのに、撮影を躊躇してどうする気なんだ。技術が劣っているのなら、そこは情熱で、枚数で補うしかないのに、どうしてそれができないんだ。結局CFカードには37枚しか写真が残っていないという体たらくで、その中で見られるものがどれだけ撮れているものか。

 

とか勢いで書いてはみたのは、正直怖いんだよな。こうして色んなものからどんどん情熱を失っていくのが。興味関心をなくしていくのが。これから年を取っていくと、さらに視野狭窄になっていくんじゃないかと。