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ああすれば炎上しなかったとか、もっとこうした書き方をするべきだったとか、巷ではそんな記事が溢れていて、まあたしかにそれも大切だとは思う。こんな時間に一人で出歩くと危ないよとか、そんな格好してると変な人に声かけられるよ、っていうのと同じくらい大事な忠告。それによって被害を受ける人が減るのは間違いないと思う。でもそれは何の解決にもなってない。

面倒な人付き合いとか、きな臭い空気の読み合いとか、そういう煩わしさが無いことがwebの魅力だと俺は思っている。もちろんこれは俺が思っているだけなんで、それこそがwebの本質だとかそんなことではないんだけど。ないんだけど、インターネットで匿名とか顕名とかリアルとは違ったペルソナをかぶって、それでも自分の思ったことを思ったとおりに表現することもできない世界って、それってじゃあ何のためにあるの?ただ検索して調べ物ができればいいのか。ニュースが読めて、YouTubeが見られれば満足なのか。そうか、満足か。だから文字入力もままならないiPhoneがこんなに売れてるのか。そうだよね、それがマジョリティだよね。でも、俺は嫌だ。

そんなのは嫌だって言うほど、俺が刺々しいこと書いているかというとそうでもない。自分ではそうでもないと思っている。でも炎上する人ってだいたい自分ではそんなことないって思っているだろうし、客観的にどうかは知らない。あまり興味もない。そもそも文章を書くことは苦手だし、そんなに好きでもない。だから自分が書くことよりも、人が書くことに関心がる。

「関心がある」というのは「読みたい」という気持ちを含んでいる。けどそれだけじゃない。俺の目に触れないところでも、沢山の人がインターネットにテキストを撒き散らかしてる。幼女の来店に前立腺がうずいたり、寝ている夫に殺意が芽生えたり、リアルでは決して晒せない文字列が垂れ流されている。それを吐き出すことで日頃のうっぷんが晴れたり、見てもらうことが嬉しかったりする人がいる。それだけが慰めになっている人もいるかもしれない。俺みたいになんで書いているのかよくわからないけど、何かの衝動に駆られて書き殴っている人だってきっとどこかにいるはずだ。そうした人たちが、というのは結局俺自身を含めてってことになるんだけど、炎上を起こすネットイナゴだとか繊細チンピラのために書きたいことを書けなくなるっていうのはすごく理不尽だと思うし、納得がいかない。所得の話題を出した奴の自己責任ってどういうことだよ。なんだその不文律は。結局長いものには巻かれないといけないのかよ。それが嫌だからここにいるんじゃないか。

もちろんわかっている。俺の言っていることは矛盾している。言葉の意図が間違って伝わるのは発信側に責任がある、といつも言っているのは俺の方だ。批難が誤解によるものだったとしても、誤解を生んだ責任は書き手にある。だからそれを改めるよう勧告するのは何も間違っていない。それに、諌める側にだってそれを好きに表現する自由がある。俺がそれを責めていては辻褄が合わない。でも、そんなの関係ない。嫌なものは嫌だ。そもそも人間とは非合理なものなんだ。

俺はインターネットはもっと自由であってほしい。タブーなんて作りたくない。自由に書きたい人を尊重したいし、あの話題に触れたあいつが悪いなんて言う奴は根絶させたい。