とびだせ ブックマークコメント大賞 2016

年末です。はてな東証マザーズ上場*1に始まった2016年も、増田の新語流行語大賞受賞*2で幕を閉じようとしている年末ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。はい、そうですね。では早速いきましょう。

 

 

 

もはや「リセットボタン感覚」という言葉をお説教に使える時代は終わった: 不倒城

どうでもいいけど、「人生はクソゲー」と「CLANNADは人生」がどちらも真であるならば、「CLANNADクソゲー」となることに気づいた。

2016/01/12 14:40

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 「人生にリセットボタンはない」と言われがちなリセットボタンだけど、実はゲームキューブ以降メジャーなゲーム機には付いていないという記事へのブコメ。本文との関連は薄いコメントながらも、これはすごい発見なのではないかと思ったけれど、検索すると同様見解がけっこう出てきた。

 

 

 

スネ夫はまだ優しい

三人用のゲームはまだわかるよ。「三人用のビデオテープ」もスネ夫は持ってる。

2016/01/19 11:46

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仲間に混じれず人知れず新年会を退席した自らを、仲間外れにされるのび太に喩えた増田に付けられたブコメ。まさかとは思ったが、本当に『ドラえもん』44巻に記述があるらしい。*3

 

 

 

「イギリスはメシマズ」話を「ポリティカル・コレクトネス」の面から考える - Togetterまとめ

3枚も舌があるのに!?

2016/03/01 19:58

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イギリスの料理はマズイというのは差別的であり避けるべきではないかという記事に付けられたブコメ第一次大戦時のイギリスの三枚舌外交を、料理を味わう舌に掛けてのジョークである。不謹慎だと言われるとどうしても避けてしまいがちだが、さらに国ネタを重ねてくるところに逞しさを感じさせる。

 

 

 

乚巨丁丶与 巨以了口丫 巨以巳乚工与汁

何書いてるのかさっぱりわからないけど、なんとなくデカイおっぱいはエロいって言ってる気がする

2016/07/29 20:24

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アルファベットを形の似た漢字や記号で記した暗号に対して付けられたブコメ。おそらくは「巨」と「了口丫」にイメージが引きずられての解釈だろうが、気持ちはわかる。

 

 

 

オタクが私にくれたもの

こういうの見るとおれが高校生の時好きな子の家の玄関にTRUE LOVEのオルゴール置いてダッシュで逃げた後電話して「誕生日おめでとう玄関見といて」って言った黒歴史の瘴気がちょっと薄らぐのでありがたいんすよ

2016/08/31 11:47

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 オタクとされる複数の同僚社員からもらった喜ばしくないプレゼントの数々を綴った増田へのブコメ。小4~5くらいなら微笑ましいエピソードだが、高校生にもなって好きな子の家の玄関にオルゴールを置いていくというのはかなりの奇行。場合によっては被害者に心的外傷を与えかねない。何故ここで自らの犯行を公表する必要があったのか、まさしく「謎の告白」である。

 

 

 

流石に草という慣用句の意味を教えてください

ローリング・ストーンズ(流石)のミック・ジャガー大麻(草)不法所持で逮捕、入国拒否されて初来日公演がドタキャンに。チケット買ってたファンが口々に嘆いた故事から「もう笑うしかない」って意味の慣用句に。

2016/10/20 01:39

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「流石に草という慣用句の意味を教えてください」という大喜利狙いのブクマ乞食に付けられた付けられたブコメ。「流石」をローリング・ストーンズ、「草」を大麻に擬える様は見事としか言えない。「流石に草」のもととなる故事としてはデタラメだが、入国拒否による日本公演の中止自体は実際にあった出来事。*4

 

 

 

ブコメに同意されるとつまらん、否定されるとイラつく

おでんの美味しい季節ですね

2016/10/29 09:44

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肯定されても否定されても不満を抱くというわがままな増田に付けられたブコメ。肯定でも否定でもないどころか、増田の記述とはまったく関係ない内容が、さも本文に即したかのようにさらっと記される。ここまで当たり前に無関係な記述というのは、並の胆力でできることではない。

 

 

 

旦那のタスク管理が下手過ぎる

学習塾に通って大学に入る子には能力は高いが自分でマネジメント出来ない場合があるからあなたがマネジメントできれば良いんだが。ハックルさんが生きてたら大喜びで俺の本を読めとかいうネタじゃねーの。

2016/11/22 07:28

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プライベートでのスケジュール管理が下手な夫への愚痴を綴った増田に対するブコメ。学業に秀でる一方で、私生活には不備の多いタイプは少なくないという指摘はもっともらしく、増田が夫のマネージメントをしていけばよいというのも決して間違っているとは言えない。しかしハックル先生こと岩崎夏海*5は、「生きてたら」ではなく今もご健在である。

 

 

 

いかがでしたでしょうか

今年は昨年にも増して私の観測範囲の狭さが一層際立つ結果が現れてしまい、もっと精進せねばとは思うんだけれど、以前ほどにweb閲覧に時間を裂けない環境になってしまい如何とも。

ブコメ」とは少しズレるけれど、今年は引用スター芸が目立った印象がある。特に「よしこ」の活躍がめざましかった。

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よしここは俺が実験台になろうではないか。 - sabacurry のコメント / はてなブックマーク

よしこに関するsabacurryのはてなブックマーク

 

引用スターは、文字をドラッグしたままスターボタンを押すことで、ドラッグされた文字情報をスターに引用することができる機能。はてなブログスマートフォンからの引用スターにも対応しているのに、ブックマークでは未だ実装されていない。*6 Firefoxを使用すれば、複数箇所を同時に引用することもできるようで、上記のような引用芸が繰り広げられている。

 

 

他に今年の象徴的出来事としては、増田の10周年*7があった。またそれに伴う、といっていいのかどうかわからないけど、スパム対策措置*8も取られるようになり、その件については思うところがあって先日ブログに書いた*9ので、興味のある人だけ読んでください。

ベスト増田を記事にまとめたりはしていないけれど、ブックマークタグを作っているので、暇で暇でどうしようもない人は覗いてみてもいいかもしれない。

 

 

個人的には、つい先日久しぶりにkun-maaさんから相変わらずなブコメ*10が付けられたのが感慨深かった。

一時的に頻繁に現れてスターやブクマを付けては、私が返礼をしないことに気づくとそそくさと帰っていくアカウントは少なくないけれど、kun-maaさんはこんな閑古鳥の鳴くブログを長期に渡って購読されている。その間に私から彼のブログに付けたブクマは1件だけ*11なのにだ。つまり、彼は所謂互助会スパムではない。だけれど、その特徴的なブコメから、やり玉に挙げられているのを見かけることもある。

互助会問題についてはここでも何度か書いてきた。*12 互助会の何が悪いのか明確に定義されないまま、何となく嫌なことを全部まとめて互助会のせいにしている印象がぬぐえない。多くの問題は、新規流入層のブックマーク傾向が自分と趣味が合わないというだけではないか、と私には思える。そうだとすると、悪いのはお前のアンテナの低さなんじゃね?いつまでもホッテントリなんて見てんじゃねえよ。お気に入りを利用するとかはてなNGを入れるとか村はてブみるとかやり方はいくらでもあるだろ。まあこの辺は去年も似たようなこと書いた気がするからもういいか。そんじゃーね。

 

 

 

 

用賀 1010 Noel Dr.クラシックアボカドバーガー

外看板の雰囲気や、テーブルに置かれるハインツのケチャップ&マスタードから、あまり期待はしていなかった。デリバリーを扱っていると聞いたときには、ハズレかなと覚悟した。商品単価の高さに一抹の期待を託した。

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運ばれてきた皿からは、肉の匂いがする。これは良バーガーに違いない。お洒落盛り付けに戸惑いながら、肉の上に野菜を重ねる。その上に、バンズを重ねて、押しつぶす。十分な手応え。本物の肉とバンズが使われていることを確信する。包み紙に入れ、口へ運ぶ。かじり付く。肉の匂いが広がる。うまい。少し薄めの味付け。その分素材の味が感じられる。牛のうま味が。アボカドの滑らかさが。マヨネーズの……、マヨネーズなのかな? もしかするとこれがサワークリームというものなのかしら。勘違いかもしれない。文化資本が不足している。子供の頃に食べたことないものの味って、いったいどこで覚えればよかったんだろう。まあ、要するにあれだ。味がする。お洒落バーガー店で1000円払っても、脂身を混ぜ込んだハンバーグに甘いケチャップをかけただけで満足している店も多いけど、ここのハンバーガーはしっかりと味がする。美味しい。

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本当はランチタイムはカード払いNGらしいんだけど、現金の持ち合わせが1000円ちょっとしかなくて、カード払いOKならドリンク頼みたいけど、現金のみだったらハンバーガー単品になっちゃうって相談したら、それじゃあ忙しくなる前に先払いならということでクレジットに応じてくれた素敵店員さんありがとうございます。

ここにタイトルが入ります

今会社から電話が入って、暇だから直帰しちゃえの指示が出たぞやっぽい!とか呟こうとしてしまったけど、そんなことするとあれでしょ?検索されて垢バレするんでしょ?知ってる知ってる。しかしよくよく考えると、ブログに書いたことが見つからないで、Twitterのほうが見つかりやすいって、もしそれが本当ならインターネットの構造がちょっと歪になってきているよなあとか思う。もし本当ならの条件がFである可能性も十分あるわけだけれど。
思考の前提となる認識が間違っていたら、どんなに考え尽くしても正しい結論は得られない。当たり前のことのようではあるが、だがしかしちょっと待ってほしい。はたして私は何かに対して真に正しい認識を持っているものなどあるだろうか。よく死に損ないの爺さんが心配する親族に対して、自分のことは自分が一番良くわかっているみたいなことを言う。本当に言うのか知らないが、そんなシーンをドラマでよく見る。具体的な作品名は挙げられないけど何度かみたことあるような気がする。もうそういうのがよくある体にして話を進めよう。爺さんはよくわかっていると言うけど、私は自分の体のことなんてちっともわからない。自分の体温も血圧も心拍数も血糖値もわからないし、それが普段と比べてどうなのか、標準値と比べるとどうなのか、ちっともわからない。腹が減っているのはわかる。体がエネルギーを欲しているんだ。そう思ってモリモリ食べるとブクブク体重が増していく。どういうことだよ、もっと食べろという合図じゃなかったのかよ。もうお前が何考えてるのかわかんないよ。
オーケーわかった。人体の神秘は現代科学でも解き明かされていない部分が多々ある。ここで例示には不適切だったかもしれない。もっと馬鹿でもわかる例を挙げよう。"1+1"はいくつだろう。これならどんな馬鹿でもわかる。答えは"2"だ。何故か。それは1に1加えたものを2であると定義したからだ。どんなときも例外なく答えが定まるので抽象概念は便利だ。だけれど、である。我々は本当に1を正しく理解しているんだろうか。たとえばよくある話題に、"0.99999…=1"なのかというものがある。1を3で割ったものが"0,33333…"であり、その3倍が"0.99999…"なのだから当然に"0.99999…=1"だと言われる。本当にそうだろうか。"0.99999…"は1よりも"0.00000…"だけ小さいはずではないだろうか。近似ではあるけど、イコールではないんじゃないの? そう言われたら返す言葉がない。私は"0.99999…"が1であることを知っているだけであって、理解してはいない。
実は私は"1+1=2"でさえ真に理解してはいなかったんだ、という極論を言っても仕方ない。すべてをすべて正しく理解することはできないんだから、複雑な事象を考えると、微々たる間違いが重なっていって、導き出される結論がどうしてもズレてしまうことがある。あるいは、理論上は正しいはずなのに、現実はそれに重ならない。だからといって理解を深めようとする試みが無駄だというわけではないけど、途方もない道程に嫌気が差すこともあるよねという話。

増田日本語認証問題

はてな匿名ダイアリーというサービスがあって、その英語表記anonymous diary(アノニ"マスダ"イアリー)から増田と呼ばれている。サービスを増田と呼び、そのユーザーも増田であり、さらにはコンテンツも増田なので厄介。つまり、増田が増田で増田を書く、ということ。わかりにくい。

その増田が数年来スパムに悩まされていたんだけど、先日ついにはてな社から有効な対策が打たれ、スパム撲滅に成功したようだ。多くのユーザーが喜びの声を上げているんだけど、本当にそれでいいんだろうかという話。
「いいんだろうか」というのは、「いいわけねえだろ糞ったれが」を意味する反語では決してなく、本来の意味での疑問。いいのかなあ。どうなんだろう。
 
 
増田へのスパムは結果しか見えない。はてなハイクや、今は亡きはてなスペースでは運営とスパマーとの奮闘の様子が垣間見えた。それはつまり、はてな社は何もスパム対策をしていないわけではないということだ。
はてな社はスパム投稿を放置していたのか。否。スペースでは通報したスパムは翌日には消えていた。問題は数が多すぎることであり、通報による削除ではとても追いつかない。
はてな社はスパム投稿を行うアカウントを放置していたのか。否。スペースではスパム投稿を行うアカウントが消えている様子が確認できた。そして日々新しいアカウントからスパム投稿が繰り返されている。しかし数週間程度生き延びているアカウントが存在しているのもまた事実。
はてな社はスパム投稿を防ぐ措置を何も取ってこなかったのか。否。増田やハイクでも、あまりに短時間での連続投稿は制限されている。スパムが疑わしい投稿に関しては、画像による認証を行い、機械投稿によるスパム行為を防いでいる。問題は、どうやらスパム投稿が機械投稿ではなく、人力によるものじゃないかと思われることにある。

hungchang 近田 CommentsAdd Starsabacurryc_shiika

はてなスペースのスパムがまた私のフォローしているスペースに戻ってきていて、あれだけムラがあるってことはプログラムじゃなくて手作業で投稿しているってことなのかしら。ってことを書こうと思って開いた。
私が人力によるスパム投稿を疑ったのは、スペースでのスパム投稿先に大きくムラがあったことによる。はてなスペースは、ジャンルごとに板やスレッドのようなもの(スペース)があり、そのスペースに書き込んでいくかたちをとる。機械による自動投稿であれば、予め決められたスペースや、その時もっとも投稿数の多いスペースにひたすら書き込まれ続けるはずだが、実際のスパムは違った。一度ターゲットとされたスペースも延々と投稿され続けるのではなく、スパム投稿にはムラがあり、場合によっては数日間が空くこともあった。その間には別のスペースがターゲットにされていた。
自動投稿ではなく人力によるものだから、画像による認証も意味を為さない。CAPTCHAというらしいが、これはコンピュータによる自動投稿を防ぐことには有効だけど、PCの向こう側にいる人間の手によるスパム投稿には意味がない。はてな社の講じてきたスパム対策は、人力によるスパム行為にはあまり効果が上がらなかった。たぶんそういうことなんだろうと私は考えている。
 
機械投稿を弾くシステムではスパムを廃すことができない。それではてな社はどうしたか。非日本語ユーザーの投稿を弾く措置を取った。
これはエイプリルフールに一度取られた対策だった。そして、私はその時にも同じことを書いた。
はてな匿名ダイアリーに「はてラボセンター試験認証」を導入しました - Hatelabo Developer Blog

効果があったためって、なぞなぞ認証は前からやってるじゃないですか。/ 機械入力を弾くのではなく、非日本語文化圏からの利用を弾くかたちになってしまっていて、本当にそれでいいのかという感がしなくもない。

2016/04/02 20:14

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非日本語ユーザーを追い出すことは必ずしも悪いことではない。おそらく利用規約は日本語でしか書かれていないはずであり、利用するためには規約を理解している必要がある。日本語を理解していない(≒規約を理解していない)ユーザーがサービスを利用できなくする措置が、間違いだとは言いにくい。
言いにくいところではあるが、利用言語によってユーザーを選別するというのは、やはり気分の良いものではない。リアルにそんな店舗があったら胸糞悪い。リアル店舗では言葉が通じないことでのコミュニケーションコストの上昇という実害もあるが、インターネットでの投稿にはそれもない。たまたまスパムを投稿しているのが非日本語ユーザーであり、非日本語ユーザーがスパマーしかいなかった。だからスパムを追い出すために、非日本語ユーザーを追い出すという方法を取った。それは倫理的に好ましくないように思える。
倫理的に好ましくない行為を私企業が行ってはならないということはない。公共団体ではなく、一営利企業に過ぎない。倫理的に好ましい行為を取り続けなければならない決まりなんて無い。自らの利益のために、グレーな行為を取ることだってあるだろう。法が許す限り、どんな手段を取っても構わない。自らの利益を最大化することが、全体の利益を最大化させる。それが市場社会である。だからはてな社を責める気はない。だけど、本当にこれでいいんだろうかという疑念は拭えない。

10年ぶりに眼鏡を買った話する?

10年のあいだ大事にひとつの眼鏡を使い続けてきたんだとかいうわけじゃなくて、そもそも眼鏡なんて必要なかったんだよね。眼鏡が必要なほど目悪くないんだ。じゃあなんで眼鏡を買ったのかというと、若気の至りってやつだ。
眼鏡キャラ。元気な天然キャラが主人公なら、体育会系のイケメンと、蘊蓄を語りたがる眼鏡が、その両脇に置かれがちだ。その眼鏡のほう。無鉄砲な主人公の言動に対して正論を吐いては眼鏡クイッてやるやつ。あれがやりたかったんだ。できるだけイラッとする感じにしたかったから、緑の太縁のオシャンティなやつを買った。我ながらイラッとする。「こういうの誰が買うんだろうと思っていたけど、近田さんみたいな人が買うんですね」って後輩に言われた。たぶん本来はもっとオシャンティな人が買うものなんじゃないかとは思う。「オシャンティ」ってなんとなく嘲笑的なニュアンスが込められているイメージだったけど、検索してみてもそんな記述はどこにも見られずちょっと驚いた。
視力云々以前に眼鏡が欲しいから眼鏡を買ったのではあるが、せっかく安くない買い物をするのだからと視力を測って矯正のあるレンズを付けた。いくらか視力が低下している自覚はあった。PCを買って使い始めた頃だったので、その影響もあっただろう。しかし、測ってみると意外にも近視はほとんどなかった。そのかわりに乱視があった。乱視が何であるか、それは未だによく理解できていない。丸いはずの眼球が歪んでいるからどうこうとかいう話だったような気がする。知ったところで視力が回復するわけでも、何か対策を取ることさえもできないんだからどうでもいい。とにかく、近視ではない何かであることは確からしい。その乱視用のレンズを入れてもらった。
矯正の入った眼鏡をかけると、たしかによく見える。なるほど、離れたところの文字も見えやすい。だけど、視力に不便があったわけでもないし、はっきり見えるようになったところで世界が変わったりはしない。比べるとたしかによく見えるのだけど、比べなければ気付かない程度の違いしかない。眼鏡を装着していることの違和感のほうが大きかった。眼鏡を外しているほうが楽だった。眼鏡をかけるのは、遠くの文字を読む予定のあるときと、眼鏡クイッをやりたいときだけになった。
ゼミ合宿のようなイベントがあった。正確にはゼミでもなんでもない。教授と仲の良い人たちが集まって旅行に行っただけだ。学園祭期間のあいだ教授が暇だったので企画された旅行だ。なのでまともにサークル活動を行っている人は除外された企画だった。そんな日陰者ばかりが10人くらい集まって奈良に行った。そこで事件は起こる。紛失したのだ。おそらくはクイッした眼鏡を外してどこかに置き、そのまま放置してしまったんだろう。どこに置いてきたのか、まったく記憶になかった。心当たりもないんだから探すこともできず、かといって、訪れたところを手当たり次第に電話で問い合わせるほどの愛着を眼鏡に抱けてもいなかった。いくらか残念ではあるが、眼鏡は諦めることとした。眼鏡の購入から一ヶ月足らずでの出来事だった。
あれ以来、だいたい10年ぶりくらいに眼鏡を買った。

知らなくても選択しなければならない問題

なんかはてなブログからメールが来て、1年前のブログを振り返ろうとか言ってるわけ。あーはいはい、とか思いながらも挙げられているのが知らないと検索できない問題 - 殴る壁で、ああそうだなと思うところがあったので書き出してみる。

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というのも、だ。最近はてなでは大学中退した人が話題じゃないですか。妙に叩かれているじゃないですか。叩かれているというより、馬鹿にされてる、かな。どっちでもいいけど。
俺だっていろいろ言いたくはなる。自分の意志で選んだ大学はダメだったのに、今度の「事業」だっていったい何が違うんだとか。在学中に起業して退学した実業家は多いけど、退学するのはだいたい事業が軌道に乗ってからだろとか。でも俺だってそんなこと言える立場じゃないわけだ。俺だって楽して好きなことだけして生きていきたい。別にレールを上を走って成功したわけでもない。くだらないと思いながらささやかな抵抗を繰り返してきた。知識もないのにやりたい分野に飛び込んだり、経験もないのにスタートアップに参加したり、その結果がこのザマなわけだ。
いや、俺の話はいいんだ。そうじゃなくてさ。結果論として間違った選択ってのはどうしても出てくるんだ。そして往々にしてそういう選択は、傍目から見ても間違っている。*1 だけど当の本人だけがそれをわからない。理解するだけの知識も経験もないんだから。

 

学生時代に人脈作っとけとかクレカ作っとけとか、そういう話はよく出回っているんだけど、こういう健康リスクの話はあまり多くない。あと、フリーランスは営業や雑務が必要になるから、好きなことだけしたい人は会社勤めのほうがいいよみたいなことをモフモフ社長がよく言ってる印象だったけど、検索するとそんなに言ってなかった。

 

こういう情報って働いている人にはある程度想像のつくところではあるんだけど、そうした選択を迫られるときって概してまだ若い。高校生や大学生だったり、働きはじめて間もないころであることが多い。*2 どんな仕事が、働き方があるのか、どんなメリット・デメリットがあるのか、自分にはどんな適性があるのか、ほとんど何もわからない。しかも質が悪いことに、本人は「わかっている」と思いがちだ。そりゃあ今までに怪我も病気もしたことがないと、健康リスクなんて言われても、健康管理には気をつけようくらいにしか思えない。でも選ばないといけない。マジ無理ゲー。そりゃあ若者も保守化するわ。
だから間違った選択を我々は嘲笑うべきではないと思うんだ。目指すべきは、レールを外れても戻ることができるようにすることだったり、勤務先への依存が強すぎるクレジットスコアの評価形式を改善したり、働けなくなったときのためのセーフティーネット整備を進めたり、だ。間違った選択を間違いでなくしていく。そういうことこそ必要だと思うんだ。

*1:極端に期待値が低いくらいの意味。必ずしも失敗が約束されているというわけではない。

*2:逆に齢をとってからだと選択肢が狭まる問題もある。

カレー屋

インド人っぽい人のやってるカレー屋って、店構えとかメニューとかどこの店もすごくよく似てるのに、味は全然違うから不思議。先週は湯島かどこかに行ったので、たまたま目にとまったカレー屋に入ったんだけど、その店はハズレだった。何がハズレなのかというのを上手く言語化することができないんだけど、あんまり美味しくなかった。美味しくないことはないんだけど、1000円近く払って食べるほどの味ではないよなあという印象。世の中1000円も払えばだいたいもっと美味しいものが食べられるじゃないか。

南アジア系のカレー屋は、2カレー+ナン(またはライス)+サラダで900数十円という店が多い。1カレーだと800円台。ナンがおかわり自由だったり、飲み物が付いたり、デザートが付いたり、そのあたりは店によって微妙に違う。家賃水準によって違うのかもしれない。郊外店のほうがサービスがいい印象がある。価格設定はほとんど変わらない。どうしてこうも似ているのかしら。悪徳ブローカーがどうこうみたいな話もあるけど、それにしても扱う地域が広過ぎはしないか。
最近の持論としては、ネパール国旗を掲げている店は美味しいことが多いというものがある。それを裏付けるにはまだサンプルが少なすぎるところではあるが。ネパール国旗を掲げる美味しいカレー屋のサンプルのひとつが、家の近所にある。やはり1000円弱で2カレーセットが食べられる。ナンはおかわり自由で、飲み物も付く。先日仕事が早く終わったので、数ヶ月ぶりにそのカレー屋に食べに寄った。この店はだいたいいつ行っても店内はすいている。その日は先客が一人もいなかった。たしかキーマカレーとほうれん草のカレーを食べたような気がするけど、まあそんなことはどうでもいい。相変わらず美味しかった。ナンの残りが減ってくると、店員からおかわりするかを聞いてくるのはありがたい。あとは、もう少しくらい店員が日本語を話せたらいいんだけど。
その日は私が店を出るまで新しい客が入ってくることもなく、終始一人きりだった。いくらなんでも客入りが少なすぎる。駅から少し離れたところにあり、こんなところで繁盛しているほうが不思議な立地ではあるが、それにしてもこれでは採算も立たないだろうに。これはもしかすると本当に悪質なあれにそそのかされたパターンなのかもしれない。だけど美味しいから潰れないでほしい。